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統合失調症

誰もいないのに話し声が聞こえてくる、誰かにつけられている、監視されている、自分の考えが他人に読まれる、自分の情報をテレビ・ライオで流されているなど奇妙は体験が続いている人は統合失調症かもしれません。

診断

A.以下のうち2つ以上、おのおのが1カ月以上ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくとも1つは(1)か(2)か(3)である。
(1)妄想
(2)幻覚
(3)まとまりのない発語
(4)ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
(5)陰性症状(情動表出の減少、意欲欠如)

B.障害の始まり以降の期間の大部分で、仕事、対人関係、自己管理などの面で1つ以上の機能レベルが病前に獲得していた水準より著しく低下している。

C.障害の持続的な徴候が少なくとも6カ月間存在する。

D.統合失調感情障害と「抑うつ障害または双極性障害、精神病性の特徴を伴う」が除外されていること。

E.その障害は物質(乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。

妄想とは

精神科、心療内科で用いる「妄想」の定義ですが、日常生活で用いる「妄想」とは意味合いが少し違います。日常生活では「将来は〇〇と結婚できたらなー。宝くじで1億円が当たったら何に使おうか。」実際に生じないであろうと自分ではわかっているものの、空想、想像するときに妄想するなどと使いますよね?精神科領域で用いる妄想とは「実際には生じていない出来事を本人が間違いない事実と確信していて、誰にも訂正できないこと」です。「明日、地球が滅亡する」「誰かに狙われている」「自分のニュースが流れている」こういうことが本人にとって間違いない確信になっているということです。

幻覚とは

幻覚には幻視、幻聴、幻臭、幻味、幻触などがありますが、統合失調症で多いのは幻聴です。幻聴の内容は「あいつを殺せ」「お前はバカだ。死んだほうがいい」「包丁を振り回せ」など怖い内容のもの、命令されるもの、暴言があります。対話タイプの幻聴もあり、第3者から見るとひとりごとを言っているのですが、誰かと会話しているように見えます。楽しくなるような内容の幻聴もあるので、妄想と幻聴によって一人で笑っているときもあります。幻聴の次に多いのが幻視で、いるはずのないところに人が見えたりします。

治療

薬物療法が中心になります。かつては難治性であったものの、ハロペリドールを代表とした定型抗精神病薬が開発され、幻聴や妄想の治療ができるようになりました。どのくらい症状が良くなるかはその人によって経過は異なり、幻聴、妄想が消失して、学校、会社など社会生活に復帰できる人もいます。また幻聴、妄想が少し残り、働くことまではできないけど、家庭で生活できる状態までは回復した。いろいろな抗精神病薬を試したけども、効果が乏しく入退院を繰り返してしまう人もいます。定型抗精神病薬は副作用としてパーキンソン症状などの錐体外路症状を生じることが多く、副作用を少なくしようと開発されたのがリスペリドンを代表とする非定型抗精神病薬です。未治療期間が短いほど、治療反応性、治療後の社会生活水準が上がるため症状が出現したら、なるべく早めに医療機関を受診することをおすすめします。