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注意欠如・多動性障害(ADHD)

子供ときは落ち着きがなく、授業中に座っていられずに校庭に走って行ってしまう、屋上に行ってしまう。忘れ物、遅刻が多く、我慢ができずに怒りやすく、友達とケンカしてしまう。大人では掃除、洗濯ができない、仕事のミスが多いために上司に頻繁に起こられる。他の人が当たり前に行っていることを努力しても実行できない、失敗してしまうことで抑うつ状態になって受診されることがあります。

診断

A.不注意、多動性および衝動性によって特徴づけられます。

B.不注意または多動性および衝動性の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在していた。

C.不注意または多動性および衝動性の症状のうちいくつかが2つ以上の状況(家庭、学校、職場、友人といるとき)において存在する。

D.これらの症状が社会的、学業的、職業的機能を損なわせている。

E.その症状は統合失調症、または他の精神病性障害ではうまく説明されない。

不注意

以下の症状のうち6つ以上が少なくとも6カ月持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、日常生活に悪影響を及ぼす。
(a)学業、仕事中に注意することができない、簡単なミスをする。
(b)活動中に注意を持続することが困難である。
(c)直接はなしかけられたときに、しばしば聞いてないように見える。
(d)しばしば指示に従えず、学業、幼児、職場での義務をやり遂げることができない。
(e)課題や活動を順序立てることがしばしば困難である。(時間管理ができない、締め切りが守れない)
(f)精神的努力の持続する課題に従事することを避ける、いやいや行う。(宿題、書類、報告書)
(g)課題や活動に必要なものをしばしばなくす。(教材、鉛筆、本、道具、鍵、メガネ、携帯電話)
(h)しばしば外的な刺激によってすぐに気が散る
(i)しばしば日々の活動で忘れっぽい(用事を足す、お使い、約束を守る、お金の支払い)

多動性および衝動性

以下の症状のうち6つ以上が少なくとも6カ月持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、日常生活に悪影響を及ぼす。
(a)しばしば手足をそわそわ動かしたりトントン叩いたりする。
(b)着席を求められる場面でしばしば離席する。
(c)不適切な状況でしばしば走り回る。
(d)静かに遊んだり余暇活動につくことがしばしばできない。
(e)しばしばじっとしてない、落ち着きがない。
(f)しばしばしゃべりすぎる
(g)しばしば質問が終わる前に出し抜いて答え始めてしまう。
(h)しばしば自分の順番を待つことが困難である。
(i)しばしば他人を妨害し、邪魔をする。

治療

ADHDの子供全員が多動があるわけではなく、不注意の症状のみがある子もいます。また多動が認められていた子も成長していく過程で、静かにすべき場所で動き回るのはみっともないと感じ始め修正されるので、大人になっても多動が持続しているという人はほとんどいません。しかし不注意による症状が残っている人は会社で上司に怒られることが多く、自分でいろいろ調べた結果、「ADHDではないだろうか」と受診される方もいます。ADHDには治療薬がありますが、薬物治療より大切なものは自分の症状を自覚して、それを努力で補うことです。絶対に忘れてはいけないことは紛失するような紙ではなく、手帳に書く。上司の話を集中して30分聞くことができなかったら、大切な内容を言っているであろう前後5分は特に集中するなど、できないことは諦めて、できる範囲の中で症状を補う努力をしましょう。薬物療法としてはストラテラ、コンサータというお薬があり、内服するだけで部屋の片づけがスムーズにできるようになった、洗い物、料理の時間が短縮されたなど、効果が認められます。しかし、内服した人全員に効果が認められるわけではありませんので、主治医、家族と薬による効果の有無を確認した上で服薬を継続するか判断しましょう。